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ラテラルシンキング ~天才の思考法トレーニング~

「問題に気づけない」「解決策が思いつかない」――そんな経験はありませんか?天才たちは常識を超え、発想の飛躍で世界を変えてきました。それが ラテラルシンキング(天才の思考法) です。 この記事では、イノベーションを生み出す“ひらめきの技術”を実践的に解説します。新しい価値は、異なる角度から見たときに生まれるもの。あなたの中の “天才性” を、いま解き放ちましょう。

思考法著者: 人事部 A.M

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もし“答えがない問題”に直面したら、どう考えますか?

突然ですが、ここに10個のリンゴがあります。これを3人で公平に分けるにはどうすればいいと思いますか?

もしかしたら、あなたは「一つの正解」を探そうとしていませんでしたか?実は知らず知らずのうちに、一つの答えを探したり、正解を求めたりしがちなのです。

ですが、世の中の偉人たちは、この「常識」や「固定観念」、あるいは「既成概念」といった枠を打ち破ることで、新しいアイデアを生み出し、新たな常識を築き上げてきました。これこそが、今回学ぶ『天才の思考法』です。

この記事では、問題解決のために常識や固定観念に囚われず、自由なアイデアを生み出す「天才の思考法」のエッセンスをお伝えします。これまでの様々な発明をしてきた偉人と同じ思考法を実践ベースで学びながら、明日から活用できるスキルを一緒に身につけていきましょう!

1. 天才の思考法とは?常識を覆したイノベーションの秘密

天才の思考法とは、問題を解決するために常識や固定観念に囚われず、自由なアイデアを生み出す思考法を指します。いま当たり前のように使っているツールの多くも、この自由なアイデアによって過去に生み出されたものなのです。例えば…

iPhoneの誕生:携帯電話の常識を覆す

iPhoneが誕生する前の携帯電話は、電話やメールをするツールとして使用されている方が大半で、それが当時の常識でした。そのため、当時使えるツールとしては電話と簡単なネット機能のみです。

しかし、iPhoneは「携帯電話」というものを「何でもできるもの」という新しい概念を生み出して販売をしました。その結果、爆発的なヒットを記録し、現代ではアメリカ、日本、カナダ、デンマークなどの先進国でシェアが50%を超える新たな常識となっています。

ポストイットの誕生:失敗から生まれた新しい価値

一度は使ったことがあるであろう、ポストイット。これを開発したアメリカの科学メーカー3M社は、実は強力な接着剤を開発していました。しかし、その過程でたまたま非常に弱い接着剤を作り出してしまいます。

そこで彼らは、この弱い接着剤を「本のしおりに応用できないか」と思いつき、誕生したのが「貼って剥がせるポストイット」です。つまり、偶然の失敗から生まれた「弱いノリは役に立たない」という常識を疑うことで、新たな常識が誕生しました。

このように、普段何気なく使っているものも、常識や固定観念に囚われず、自由な考えで生み出された製品ばかりです。

そして、この自由な発想で新しいアイデアを生み出す際には、常に押さえておくべき3つのポイントがあります。

2.天才の思考法を実践するための3つの心構え

自由な発想で新しいアイデアを生み出すために、まずは以下の3つの重要なポイントを心に留めておきましょう。

1. 正解はないと心得よ
私たちはしばしば、唯一の「正解」や「結論」を求めがちです。しかし、この思考法においては、新しい正解を作り出すのは自分自身です。正解らしい答えや結論を出すことではなく、自由な発想で考えることが重要になります。

2. 子供になることを恐れるな
子供の頃、タイムマシンや空飛ぶ車を想像したことはありませんか?大人になるにつれて、「無理だ」「非現実的だ」と自分自身にブレーキをかけてしまいがちです。これまでに身につけてきた「常識」という概念を一度取り払って、子供の気持ちで自由に発想してみましょう。

3. 「ずるい」は悪ではない
「ずるいは悪いこと」「サボるのは悪いこと」「人の力を借りるのは悪いこと」。こうした固定観念はありませんか?努力をすることはもちろん大切ですが、最小限の力で最大限の成果を得ることもまた大切です。問題解決のためには、どんどん「ずるい」工夫をしていくことを恐れないでください。

3.実践!天才の思考法を身につける3つのステップ

天才の思考法を実践するためのポイントは、以下の3つです。

1. 抽象化する
2. 前提を疑う
3. 視点を変える

それぞれ具体例とワークを通して見ていきましょう。

ステップ1:抽象化する ― 物事の本質を捉える

「抽象化する」とは、物事の本質を捉えることを指します。では、物事の本質を捉えるとはどういうことなのか、具体例で見ていきましょう。

ヘンリー・フォードと自動車の誕生

1800年代後半のヨーロッパでは、町で馬車が行き交い、人々の移動手段の幅が広がりを見せていました。そんな中、実業家のヘンリー・フォードは、新たに世に売り出す商品を考えていました。

ヘンリー・フォードは、当時大きな需要をもたらしていた馬車に着目し、人々が馬車に対して何を求めているのかを考えました。人々が本当に求めていたのは「馬車」というものではなく、「早く移動ができるもの」という本質的なニーズでした。

そこでヘンリー・フォードは、なんと馬よりも早く移動ができる世界初の4輪自動車を開発しました。そう、これが自動車誕生の瞬間です。これはまさに、抽象化して物事の本質を捉えた事例と言えます。

つまり、対象を特定し抽象化することで、人々が求めている本質を捉え、それを新しい形に具体化していく。これが天才の思考法を実践する際の1つ目のポイントになります。

【実践ワーク1】自動車を抽象化し、新たな自動車を企画しよう!

ここでこの抽象化を活用して、新しい商品を企画してみましょう。

テーマ:自動車を抽象化し、新たな自動車を企画してください。 売れるかどうか、実現できるかどうかは考慮しないので、子供になって自由な発想で考えてみてください。制限時間は10分です。

皆さん、どんな自動者を生み出しましたか?

講師の先生の場合、「自動車」を「思い出を作るもの」と抽象化し、見た目や機能性ではなく、「思い出の生成・保存・再生」にフォーカスを当てた自動車を企画しました。

例えば、以下のような機能が考えられます。

• 車内カメラと音声マイクが会話を自動で記録 • 笑い声や会話など、感情が高ぶった瞬間をAIがピックアップして思い出を作成 • 数年後、同じルートを走行することで過去の自分たちの思い出が再生できる機能 • ARウィンドウに過去の自分たちの姿を重ねて表示できるユニークな体験

面白い自動車ができたと思いませんか?このように、本質を捉えることで、全く新しい発想が生まれる可能性があります。

ステップ2:前提を疑う ― 常識を問い直す

2つ目のポイントは「前提を疑うこと」です。前提を疑うとは、これまでの常識、固定観念、当たり前を疑うことを指します。

ファストフード店の誕生:レストランの常識を覆す

1900年代半ばのレストラン業界を見てみましょう。この時代、レストランは「綺麗に盛り付けられた料理を豊富なメニューの中からお客様が選択し、ゆっくりくつろぎながら食事を取る」というのが常識でした。

しかし、あるレストランは、料理を皿に乗せることなく紙に包んで提供するだけでなく、選べる商品はなんと2種類のみ。とにかく早くて安いことを売りにした、これまでの常識を覆すレストランが展開し始めました。そう、これがファストフード店の誕生です。

これはまさに、これまでの飲食店の常識を疑い、新たな常識を生み出した例と言えます。

そんな前提を疑う力を鍛えるための3つの言葉があります。それは、 • 「なぜ」 • 「本当に」 • 「今だけ」 この3つです。ぜひ皆さんも、皆さんの常識や固定観念に対してこの3つの疑問を問いかけてみてください。

【実践ワーク2】ラーメン屋の売上を伸ばす作戦を考えよう!

ここで皆さんに、前提を疑って新たな作戦を立てていただこうと思います。

テーマ:とある町にラーメン屋さんが隣合わせで2軒並んでいます。A店は行列のできる店舗、B店は閑散とした店舗です。B店の店主であるあなたは、売上を伸ばすためにどのような作戦を立てますか? 皆さんも前提を疑いながら、新たな作戦を考えてみてください。制限時間は10分です。

皆さん、いかがでしたでしょうか? 講師の先生も皆さんと一緒に前提を疑い、売上を伸ばすための方法を考えてみました。 まず「なぜA店には行列ができていたのか?」。「美味しいお店に行列ができる」と一番に考えがちですが、「本当にそうなのでしょうか?」 実はA店の座席数が極端に少ないだけかもしれません。

また「売上を伸ばすためには、競合店との差別化が重要」と一般的にはまず考えますが、「それは本当なのでしょうか?」 例えば、逆説的に人気店を完璧に真似るという方法も考えられませんか?

というわけで、講師の先生は「A店との差別化を図るのではなく、A店の姉妹店としてお店を売り出し、A店とお客さんをシェアする」という方法を考えてみました。

もし「ずるい」と感じた方がいたら、思い出してください。天才の思考法においては**「ずるい」は悪ではありません**。

ステップ3:視点を変える ― 多角的な視点からアプローチする

最後のポイントは「視点を変えること」です。視点を変えるとは、人、時間、見方を変えてみることを指します。

例えば、 • 人の側面:自分ではなく、高齢者や子供など、異なる視点から考えてみる。 • 時間の側面:今だけでなく、過去や未来をベースに考えてみる。 • 見方の側面:同じ事柄に対しても、違う捉え方はできないか、と見方を変えてみる。 このように、一つの側面だけで物事を判断するのではなく、同じ物事に対して他の人、時間、見方から考えてみましょう。 リンゴの公平な分け方、再び

ではここで、皆さんに最初に出した質問をもう一度してみます。 質問:10個のリンゴを3人で公平に分けるためには、あなたならどうしますか? 初めにこの質問をした時よりも、たくさんの方法を思いついた方、おめでとうございます!あなたは天才の思考法を習得し始めている証拠です。

例えば、以下のようなアイデアが挙げられます。 • 欲しい個数を全員で話し合って決める • じゃんけんをして決める • ミキサーに入れてリンゴジュースにした上で平等に分配する • リンゴの種を植えて、未来での個数を同じにする このように、視点を変えてみることにによって、様々なアイデアが浮かんでくることかと思います。

【ウォーミングアップ】新聞の使い道を柔軟に考えよう! 実践ワークに入る前に、まずはウォーミングアップです。 テーマ:新聞の使い道を柔軟な思考で考えてみましょう。目安は5分で20個以上!

20個以上思いつきましたか?今回も「新聞=情報収集をするもの」という常識を取り払って、いろんな視点からアイデアを出していただけましたでしょうか?

【最終ワーク】食に関する次世代サービスを企画しよう! それでは、いよいよ最後のワークです。 テーマ:食に関する次世代のサービスを企画してください。食に関することであれば何でもOKです。また、柔軟な頭の使い方を鍛えることがこの講座の目的になっているので、実現可能性は無視してOKです。 第2章で学んだ「抽象化する」「前提を疑う」「視点を変える」この3つのポイントを意識しながら、新たなサービスを企画してみてください。制限時間は15分です。

さあ、皆さん、革新的なサービスは生まれましたか? 講師の先生は、このようなサービスを考えてみました。 「離れていても同じ食卓で食事を摂っている感覚を味わえるサービス」 いかがでしょうか?では、どのように天才の思考法を活用しながらこのサービスを考えてきたのか説明していきます。 まず、「食」を抽象化しました。一般的には「食=生命を維持するもの」という印象が強いですが、「これは本当なのか?」と前提を疑い、様々な視点で「食」というものを再定義してみました。

例えば、 • 大人が食べるという視点での食:生命を維持するもの以外にも、「楽しむもの」「コミュニケーションの手段」「文化を表すもの」「関係構築の手段」など。 • 子供が食べるという視点での食:成長の証として捉えることもできる。 • 「食べる」だけでなく「作る」という視点での食:料理をするものと捉えることもできる。

今回考えたサービスは、その中でも「大人のコミュニケーションの手段としての食」に焦点を当ててサービスを考えてみました。 具体的なサービス内容は以下のようなものです。 • 遠方にいる友人、家族、恋人と同じ料理を同じ時間に届けてもらえるサービス • スマホやPCではなく、食卓一体型デバイスで、まるで同じテーブルにいる感覚を演出 • 相手が少し久しぶりに会う相手だった場合、会話の場を埋めるBGMや軽い話題提供も可能

こんなサービスがあったら面白そうだと感じませんか? 皆さんはどんなサービスを企画したのか、ぜひコメント欄などで教えてください!

まとめ.常識に囚われず、次のイノベーションを起こそう!

ここまで、問題を解決するために常識や固定観念に囚われず、自由なアイデアを生み出す思考法である「天才の思考法」について学んできました。

自由な思考を身につけるためには、以下の3つのポイントが重要になります。

  1. 正解を求めないこと
  2. 子供になって考えること
  3. 「ずるい」イコール悪ではない

これらの「常識に囚われない自由な発想」によって、次のイノベーションを起こすのは、もしかしたらあなたかもしれません! ぜひ今日学んだエッセンスを日々の生活や仕事に取り入れ、あなた自身の創造性を開花させてください。