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自己分析で答えが出る“たった一つの問い”
自己分析で答えが出る“たった一つの問い”

やりたいことが見つからない人必見|自己分析で答えが出る“たった一つの問い”

やりたいことが見つからない社会人1〜3年目向けに、自己分析で答えを導くたった一つの問いを紹介。過去の経験から価値観を引き出し、小さな行動につなげる実践ステップも解説します。

思考法著者: 人事部 A.M

そのモヤモヤは、あなたのせいではありません

社会人1〜3年目のあなたは、日々の仕事に追われ、ふと立ち止まったときに、「このままでいいのだろうか?」と漠然とした不安を感じているかもしれません。入社当初の情熱はどこへやら、「やりたいこと」が明確に見えず、焦りやモヤモヤを抱えている。そんなあなたは、決して一人ではありません。

多くの人が、「やりたいことがないのは、自分に才能や能力がないからだ」と自分を責めがちです。しかし、そのモヤモヤの本当の原因は、あなたの内側にある情熱が消えたわけではなく、それを引き出すための問いの立て方が間違っているだけかもしれません。

自己分析を試してみても、インターネット上の情報や複雑なフレームワークに振り回され、結局は答えが出ないまま時間だけが過ぎていく。そんな経験をした人も多いのではないでしょうか。

本記事では、自己分析の第一歩として、最初に自分に投げかけるべき “たった一つの問い” を解説します。この問いは、あなたの内側にある本当の興味や価値観を、驚くほどシンプルに引き出してくれます。そして、その問いから得たヒントをもとに、具体的な行動に移すための実践ステップを徹底的に解説していきます。

この記事の重要ポイント

  • 「やりたいことがない」のは才能や能力の問題ではなく、 質問の仕方の問題
  • 自己分析は “自分の価値観” にフォーカスすると効果的
  • 小さな行動の積み重ねで「やりたいこと」は浮かび上がってくる
  • 完璧な答えを探すより、 「今やってみたいこと」を見つけるのが第一歩

こんな人におススメ

  • 就活・転職でも「やりたいことは?」と聞かれて困った経験がある
  • 毎日仕事をしているけど目的意識が薄い
  • 自己分析のやり方をネットで調べたけど、情報が多すぎて混乱した
  • 漠然とした不安が続いていて行動に移せない

なぜ“やりたいことがない”と感じるのか?

「どうして自分には、夢中になれるものがないんだろう…」

そう自分を責めてしまう前に、まずは「やりたいことがない」と感じてしまう根本的な原因を理解しましょう。これは、今の時代を生きる誰もが直面する可能性のある、社会的な背景も関係しています。

1. 情報が多すぎて選べない時代の弊害

インターネットやSNSを通じて、私たちは膨大な情報に常にアクセスできる時代に生きています。キラキラとした充実したキャリアを送る人々の情報が、簡単に手に入ります。

  • 「こんな働き方もあるんだ」
  • 「このスキルは今のうちに身につけておかないと乗り遅れる」

たくさんの選択肢があることは良いことですが、その反面、「どれを選べばいいのか分からない」という 選択疲れ を引き起こします。他人が選んだ「正解」が無限に提示されることで、自分の内側にある本当の興味や価値観に耳を傾ける機会が奪われてしまうのです。情報過多の中で、他人の基準に振り回され、「本当に自分が何をしたいか」という内なる声を聞き逃してしまいがちなのです。

2. 「やりたいこと=一生の天職」という固定観念

私たちは、「やりたいこと」と聞くと、つい「一生をかけて取り組むべき、情熱を燃やせる仕事」という壮大なイメージを抱きがちです。

  • 趣味の延長線上で、情熱を注げる仕事を見つけなければ
  • 転職や独立をして、華やかなキャリアを築かなければ

しかし、現代のキャリアは、一つの職業を一生続けるというスタイルから、複数のスキルや経験を掛け合わせて自分だけのキャリアを築くスタイルへと変化しています。最初から「これだ!」と断言できるような天職は、そう簡単に見つかるものではありません。この完璧主義的な固定観念が、「やりたいことがない」という現状への焦りや、行動への大きなブレーキとなってしまいます。「完璧なやりたいこと」が見つかるまで行動できない、という思考のループに陥ってしまうのです。

3. 比較による自己否定(SNSや周囲のキャリアと比べる)

SNSでは、仕事で成功している人、楽しそうに趣味に没頭している人が溢れています。無意識のうちにそうした情報に触れることで、 「それに比べて自分は…」 と自己否定に陥ってしまうことがあります。

  • 「同期はもうリーダーになったのに…」
  • 「みんな充実しているのに、自分だけ取り残されている」

このような他人との比較は、自分の内側にある興味や関心に目を向ける妨げとなり、「やりたいこと」を見つけるための大切なエネルギーを奪ってしまいます。「自分はダメだ」というネガティブな感情が、新しい一歩を踏み出す勇気を奪ってしまうのです。

「やりたいことが分からない」人の多くは、 “完璧な答え” を求めすぎて動けないという共通点があります。 まずは、完璧な答えではなく、「小さな一歩」を踏み出すためのヒントを探してみましょう。


やりたいことを見つける“たった一つの問い”

では、完璧主義の罠から抜け出し、あなたの内なる情熱を掘り起こすにはどうすれば良いのでしょうか。そのためのシンプルな問いが、これです。

問い:どんな瞬間に、自分は時間を忘れるほど没頭してきたか?

「仕事」「趣味」「学生時代」「幼少期」など、どんなジャンルでも構いません。この問いを自分に投げかけることで、あなたは「こうあるべき」という外側の視点から解放され、「自分にとって心地よい時間とは何か」という内側の視点に立ち返ることができます。

この問いが有効な理由

  1. 過去の経験から価値観や興味を炙り出せる 「没頭」した経験には、必ずあなたの 「好き」や「得意」 が隠されています。例えば、「友達に勉強を教えるのが楽しかった」という経験は、「人の成長をサポートすること」への価値観を示しているかもしれません。
  2. 「正解探し」ではなく「自分の感覚」ベースで考えられる 「やりたいこと」を無理やり探そうとすると、頭でっかちになり、答えが出ません。しかし、「没頭した瞬間」は、理屈ではなく感情や感覚に訴えかけるため、自然と自分の内側にあるヒントに気づくことができます。
  3. 自己分析ツールよりもシンプルで継続しやすい 複雑な自己分析ツールを使いこなすのは、それ自体が負担になることがあります。しかし、この問いは、いつでもどこでも、ノートとペンさえあれば始められます。

実践ステップ(自己分析→行動)

「どんな瞬間に時間を忘れて没頭してきたか?」という問いに答えを見つけるための、具体的な3つのステップを紹介します。

ステップ①:過去の没頭体験を3つ書き出す

まずは、仕事・趣味・学生時代など、ジャンルを問わず、 「時間を忘れるほど夢中になった瞬間」 を3つ書き出してみましょう。

  • 例1: 学生時代に文化祭でクラスの出し物を企画し、みんなで作り上げた時間
  • 例2: プログラミングの学習サイトで、一つの機能を作るのに朝まで熱中した時間
  • 例3: 友人からの相談に乗っているとき、時間が経つのを忘れて話していた時間

どんな些細なことでも構いません。大切なのは、その時のあなたの「熱量」です。

ステップ②:それぞれの共通要素(テーマ・環境・人間関係)を抽出する

次に、書き出した3つの没頭体験を分析し、共通する要素を見つけ出します。

体験共通要素
例1(文化祭)テーマ: ゼロから何かを生み出すこと / 環境: チームで協力すること / 人間関係: 仲間を巻き込むこと
例2(プログラミング)テーマ: 課題を解決すること / 環境: 一人で黙々と取り組むこと / 人間関係: 成果を共有すること
例3(友人からの相談)テーマ: 相手の悩みを解決すること / 環境: 一対一で深く関わること / 人間関係: 信頼関係を築くこと

この作業をすることで、「自分は、 チームで何かを創り出す ことに喜びを感じるタイプだな」「 一人で課題を解決する プロセスが好きなのかもしれない」といった、あなたの 行動原理や価値観 が浮かび上がってきます。

ステップ③:小さな実験(1日・1時間単位)で試す

共通要素から見えてきたあなたの価値観は、まだ「仮説」に過ぎません。その仮説を検証するために、今度は 「小さな実験」 を始めてみましょう。

「チームで何かを創り出すことに喜びを感じる」という仮説が立てられたなら、

  • 1時間の実験: 職場のランチ会で、新しい企画のアイデアを一つ提案してみる
  • 1日の実験: 友人と集まって、一日でできる小さなウェブサイトを作ってみる

このように、具体的な行動に移すことで、仮説が正しいかどうかを肌で感じることができます。そして、この「実験」の過程で、新たな発見が生まれ、「次にやってみたいこと」がどんどん見つかっていくはずです。

ノートやスマホメモに “やってみたこと” “感情の変化” を残すことを習慣化しましょう。1回で答えを出そうとせず、 「小さな気づき」 を積み重ねていくことが重要です。


よくある壁とその乗り越え方(Q&A)

Q1. 全然没頭体験が思い出せない…

A. 没頭体験は、仕事や学業といった「真面目な活動」に限る必要はありません。幼少期・学生時代・仕事外の趣味なども含めて、広く探してみましょう。

  • 幼少期: 泥だんご作りに夢中になった、漫画のキャラクターの絵ばかり描いていた
  • 学生時代: 部活の練習メニューを考えるのが楽しかった、友人との旅行のしおりを作るのが好きだった
  • 趣味: ゲームのキャラクター育成に時間を忘れた、料理のレシピを考案するのが好きだった

このように、あなたの「好き」や「得意」が隠されているはずです。それでも見つからない場合は、 「最近、少しでも楽しかったこと」 から探してみるのも一つの手です。

Q2. 失敗が怖くて新しいことに挑戦できない

A. 「やりたいこと」を探すための行動は、 失敗 ではありません。それは 「興味の仮説を検証する実験」 です。

実験には、必ずしも成功するとは限りません。しかし、実験から得られるデータは、必ず次の行動へとつながります。

  • 失敗の定義を変える: 「挑戦して、うまくいかなかった」→「 このやり方ではうまくいかないという貴重なデータを得た 」と捉える
  • 小さな実験から始める: 失敗のリスクを最小限に抑えるため、1日や1時間で完結する小さな実験から始めましょう。

失敗は「前進の一部」です。この考え方を持つことで、挑戦へのハードルが大きく下がります。

Q3. 周囲の期待に応えようとしてしまう…

A. 家族や上司など、周囲の期待に応えようとすることは、素晴らしいことですが、それが「やりたいこと」を見つける妨げになることもあります。

「他人の期待に応える自分」と「自分が本当にやりたいこと」 は、全く別のものです。この2つを混同しないように意識することが大切です。

まず、 「他人の期待に応えている自分」 を客観的に観察してみましょう。

  • 「上司に褒められるために、残業してでも完璧な資料を作っている」
  • 「両親が喜ぶから、安定した職場で働いている」

このように、自分が他人の期待に応えている瞬間を認識することで、無意識の行動を意識的にコントロールできるようになります。そして、その上で、 「本当に自分がやりたいこと」 を小さな実験で試してみるのです。


まとめ:やりたいことは“探す”ものではなく“気づく”もの

「やりたいことが見つからない」という悩みの原因は、多くの場合「 問いの立て方 」にあります。

正解を探そうとするのではなく、自分自身に「どんな瞬間に没頭してきたか?」という問いを投げかけることで、あなたの内側にある本当の興味や価値観が見えてきます。

  • 最初の一歩は、「どんな瞬間に没頭してきたか?」を探すこと
  • 次に、 その共通要素から自分の価値観を見つけること
  • そして、 小さく試すことで、自分の軸が見え始める

「やりたいこと」は、誰かが教えてくれるものでも、ネットで探せるものでもありません。それは、小さな行動の中で、自分の内なる声に耳を傾け、 “気づく” ものです。

やりたいことは探すものではなく、行動の中で“気づく”もの。

今日から小さな一歩を踏み出せば、未来の選択肢は広がります。